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書籍紹介『漫画のスキマ』



菅野 博之 著
『漫画のスキマ―マンガのツボがここにある!』
Comickersテクニックブック  2004年

お役立ち度:★★★★★
読みやすさ:★☆☆☆☆
対象者:中級者〜上級者
【概要】
プロのマンガ家であり専門学校での講師も務める著者による、マンガの描き方の解説本。
『漫画のスキマ』というタイトル通り、他の解説本では触れられないぐらい細かいスキマの部分の解説が多い。実際にマンガを描くときにはそのスキマの部分が難しいので、非常に実践的な本。
しかしそれだけ細かい話なので、書いてあることはけっこう難しい。理解するには根気が必要。
それでも読む価値はある。一部しか理解できなくても十分得るものはある。というか全部理解できたらプロになれそうなレベル。

【詳細】
この本のテーマは「演出」です。フキダシの微妙な位置の違いなどで、読者に与える印象が大きく変わることを説明しています。

下の画像をご覧ください。


フキダシの位置を変えるだけで「声が遅れて聞こえてくる」なんてことを表現できるのです。これを見た僕はすさまじい衝撃を受けました。これを見れただけでこの本を買った価値があるとさえ思いました。

「声が遅れて聞こえてくる」という演出を可能にしているのは、「視線誘導」というテクニックです。視線誘導を知らずに適当にフキダシを配置すると、声が遅れるなんてことはならないにしても、違和感のある読みづらいマンガになってしまうおそれがあるのです。
この本では視線誘導について、実例を交えて詳しく細かく説明しています。他の解説本でここまで細かく説明しているものはないと思います。

視線誘導以外にも「間」や「コマの圧縮・解放」などの細かいテクニックが書かれています。どれも細かい違いでマンガの印象を大きく変えてしまいます。
例の中には違いが細かすぎて「ほらこの微妙な違いで印象が大きく変わるでしょ」と言われても「変わってるような変わってないような…」とよく分からない部分もあるぐらいです。

↓変わってるような変わってないようなっていう例↓


正直なところ、僕もまだこの本に描いてあることを全て理解できてはいません。半分も理解できてないかも。下手したら30%ぐらいかも。
しかしそれで十分だとも思います。この本で繰り返し言われているのが「マンガは実際に描かないと上手くならない」ということです。この本を読めば上手くなるのではなく、実際にマンガを描くときにこの本を読んで知った視線誘導についてちょっと気を付けてみることで上手くなっていくのです。

それなりにマンガを描けるようにはなったけれど、どこか違和感のある読みづらいマンガになってしまって悩んでいるそこのあなた。この本の中に解決のヒントが隠されているかもしれません。

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